ハナミツ






ー綾瀬はちゃんと謝りに来てくれる。




あの日タクシーで送ってくれた日。

七瀬さんは、私の家近くまで送ってくれた。その道すがら店長とあった経緯を話してくれた。


「……百合とは腐れ縁でね。それこそスタンド花を
何回か担当してくれて、しかも見事に僕の好きな
色合いの配色で。
誰かとしつこくマネージャーに聞いたら百合のいる花屋を教えてくれたんだ。
まぁ、僕も若かったから百合に話しに行ったら、
…くっ、…まぁ、いまは笑い話しだからいいか。
塩もって追い出されたんだよ。
あり得ないでしょ。お客さん相手に塩だよ?」


ー出ていけ。

七瀬さんと顔を合わせた日、…あまり怒ってない口調だった。


「それが面白くてね、塩もって投げられた事なんかなかったから。だからそれ以来、百合をつけ回してるわけ。
あの人さ、初めて会った僕に『何で来たんですか?』ってすっごい顔で言って、
『こっちは仕事で貴方に関わっただけです。私的に接するならばちゃんとプライベートで、私の時間外にお願いします。』って呆気にとられた後爆笑しちゃったよ。」


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