ハナミツ
「してるんだよ、悪いこと。」
耳元で囁かれて、息があたる。
頭がおかしくなる。
このひとの声は、おかしくさせる。
私の中の私じゃないだれかが現れるスイッチみたいだ。
「......直昭さんなら、だいじょ......ぶ。」
「...」
「...もっとして下さい、悪いこと。私に。
それで、...もっと教えて...欲しい。直昭さんのこと」
覆いかぶさった直昭さんの髪に触れる、
さっき乾かしたからか普通にさわれた。
「......」
少し躊躇ってる様にみえた、彼に頼んだ。
「直昭さん少し屈んで...」
「え、...うん?」
私の顔の真横辺りに直昭さんの顔が近づく。
私から触れたらきっと大丈夫だとわかるはずだ。
首筋に触れ、軽く噛むようにキスをした。
「......っ、」
「ごめんなさい、痛かっ......」
「...痕ついた?見えない。」
確認するみたいに直昭さんは少し上を向いた。
月明かりでその近くが綺麗に痕がついてるのがみてとれた。
「...はい。ありがとうございます…」