ハナミツ





「...は、はあ」




「惚気も聞きたいんだけど、直昭は吐かないだろうからね。晩ご飯食べていきなよ、せめて。」

「...桜井さんは大丈夫なの?晩ご飯とか、」



「今日は父さんとこ。沙羅もいっしょだから、問題ナッシング。」


さくらい?さら?




お姉さんはにこりと笑って

「桜井は私の旦那の名字、沙羅は私の娘なの。直昭はおじさんにあたるのよ。」




「なるほど。」



直昭さんははぁとため息をつき、私の横を指した。



「いい?」


「あ、はい。」


直昭さんはすっと座り荷物を置いた。


「早く頼んでよね?遅いんだから。」



結希さんはまるで約束していたみたいに
直昭さんに言った。




「......はいはい。」



直昭さんはおしながきに目を通し、諦めたように頷いた。



< 520 / 668 >

この作品をシェア

pagetop