ハナミツ
「...は、はあ」
「惚気も聞きたいんだけど、直昭は吐かないだろうからね。晩ご飯食べていきなよ、せめて。」
「...桜井さんは大丈夫なの?晩ご飯とか、」
「今日は父さんとこ。沙羅もいっしょだから、問題ナッシング。」
さくらい?さら?
お姉さんはにこりと笑って
「桜井は私の旦那の名字、沙羅は私の娘なの。直昭はおじさんにあたるのよ。」
「なるほど。」
直昭さんははぁとため息をつき、私の横を指した。
「いい?」
「あ、はい。」
直昭さんはすっと座り荷物を置いた。
「早く頼んでよね?遅いんだから。」
結希さんはまるで約束していたみたいに
直昭さんに言った。
「......はいはい。」
直昭さんはおしながきに目を通し、諦めたように頷いた。