ハナミツ






自重する。と直昭さんは笑った。


「明日...ですね、直昭さんのご両親の結婚記念日」



「ありがとう。飯食いに帰って来いって言われたけど距離あるからなあ。無理だろうな。」


「お家遠いですからね」


「東京ではないからね。距離あるし、高速乗ったら近いけども」




お姉さんは家族と東京に住んでいて、よく実家には帰るらしい。



「...もう少ししたらさ、実家いこうか。」


「へ?」



「蓮花が嫌じゃなければさ。紹介したいから、一応。親には」



...。



「......わかりました。」


不意打ちできたから小さい声で返事をするしかできなかった。



「ありがとう。」




直昭さんは赤信号の合間に頭を軽くなでてくれた。











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