ハナミツ
「……蓮花。」
「……うん、」
耳元で囁く。
自分の声が凶器になることくらい知ってる。
この仕事をして、いやというくらいに
「…俺のこと好き?」
「……」
頭が微かに動くのがわかった。
「…なんで聞くんですか…、す、きじゃなきゃ、私……」
「………うん」
聞きたくなる、不意に彼女から。
顔を赤くしてキスを落として、甘くして、甘い言葉を言わせなくなる。
そうでもしなきゃ、自信がなくて
不安でたまらない。こんな可愛いひとが自分のそばにいてくれるなんて嘘じゃないか、と。