ハナミツ











仕切り直し、服を整え公園の中の喫茶店に行った。
温かくて冷えた体には丁度良かった。
店は俺たちくらいしかお客はいなかったから、堂々と景色の見える個室に行った。




蓮花はカフェオレを、俺はコーヒーを頼んだ。



「そういえば初めてキスした時のカフェオレすっげ甘かったなぁ…」


蓮花はぼんっと赤くなる見本みたいに赤面した。



「……だ、あ、あれは……私用につくったのに……直昭さんはが……っ、」



彼女とキスしたのは朝。
カフェオレを飲んでいた時。

「が?」



わざとらしく俺はにこにこ笑いながら聞く。

「……キスしてきたから……だもん、ばか…」






下を向きながらカフェオレにまたミルクを入れた。
蓮花は稀に見る甘党だ。辛いものが好きな俺とはなかなか合わない。





以前にキスした時に口に残ったカフェオレも相当甘かった。
いま彼女の飲むカフェオレも甘いんだろう。


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