ハナミツ
仕事は8時丁度に終わった。
駅で待ち合わせたタツと軽く飯を食い、
駅地下の店でつまみやらケーキやらテキトーに買ったあとタツの家に行った。
「にゃー、ただいま、」
玄関から中に入るとチリンと音がした。
アメリカンショートヘアという種類の子猫が俺を出迎えた。
青い目をしている。毛並みはグレー。よたよた歩いてきた。
「おいで、」
タツは子猫を抱いた。にこにこしてる。
乱暴な言動が目立つがタツは元々優しいやつで、多分お母さんが優しい人だからなのかもしれない(前にタツの地元に花火大会を見に行ったことがある、その時会った)
「猫飼いだしたんだ、名前はメイ。」
「なんでメイっていうの?」
「5月に飼いだしたからさ。女の子だって、まじで可愛いんだよ。」
"まじで可愛い猫"をタツは下ろす。
メイと呼ばれた猫は俺のところにきた。
「…わ、…」
「お前猫だめだっけ?」
「いや嫌いじゃないけど、家に犬飼ってたから…なんか、慣れてないっつーか…、」