ハナミツ
*6th-5 何もかも
直昭さんの誕生日から1週間過ぎた。
直昭さんとは仕事が忙しくてなかなか会えていない。
様子がおかしかった彼のことをぼんやり考え、
立花君のこともどうにかしなきゃいけないと思いながらも何も出来てない現状に苛立つ。
こんなんじゃだめだ。
直昭さんに寄りかかってばかりじゃ。
守られるだけじゃ……。
「藤ノ宮ごめん、配達大丈夫ー?」
「へ!」
休憩が終わり1階に降りてきた私に店長は、はいとここねと配達票をくれた。
「葵が坂井のおじいちゃんに捕まっちゃって、悪いんだけど。」
3件か…。内の1件は、直昭さんの事務所だ。
「分かりました。」
「よろしくね。」