ハナミツ
え。
「や、全然会ってない…ですけど。……」
「そっか、でもスタンド花は作るんだよね。
綾瀬のイベントの。」
「え、と、は…い。ご存知なんですね。」
七瀬さんは視線を外さずにパソコンに向かったまま
キーボードを打つのをやめない。
ある意味器用だ。
「………」
「七瀬さん?…」
「……君は綾瀬をどう思う。
声優だということを黙っていて憎い?
…それとも優柔不断だと思う?…」
「私は、………」
「嫌いではないから困っちゃうかな」
「……。」
困っちゃう。
困る。
綾瀬さんの笑った顔。
少し人をからかうところ。
調子が悪いといった時に驚いた顔。
「…綾瀬は幸せものだね。」
「……七瀬さん。以前私に綾瀬さんは、
芸能人だから近付いたら危ないと言われましたよね。なのに何故、私が綾瀬さんと上手くいったらいいと言うんですか」