ハナミツ
「………オレがしたことあんたに許されようとか思ってないよ。散々罵倒したんだから。でももう、そろそろ会いたくなったんだ。」
「…?」
「あんたが桜さんの若い時に似てきたって親父から聞いてさ。バカじゃねぇの気持ち悪いって思ってたらあながち間違ってなくて。……なんか、
あんたの中にいる桜さんに会いたくなってさ。女々しいな、オレ」
「立花君……」
「気持ち悪い理由だろ?引いていいぞ、オレも引いてるからさ。」
「驚いたけど…大丈夫。ごめんなさい、私……」
彼はあの時よりずっと大人になっている。
背も伸びたし声も変わった。
「……謝る理由なんかないから、謝るなよ」
ぶっきらぼうな物言い。
……ここは舞台裏ではないのに
何故か母を見ていた時の彼を思い出した、
遠くから、何も言わずに見ていた彼の視線を。
懐かしくなった。