ハナミツ
「…すみません絶対に会わないって言えません。」
「うん、分かった。」
逆光で顔が分からない。
「いちおう家族だしな、義理の。」
「……はい。」
「………。」
直昭さんは壁から手を離し私の両手を握った。
「……直昭さん」
「離れたくないな、蓮花といるといつも思う……。ずっといたい」
「私もです。直昭さんのこと大好きだから。ずっと、……」
胸が詰まって言葉が出てこなかった、
“ずっとそばにいたい”
静かで、直昭さんは私の手を離さない。
結婚式みたいだとおもった。
誓いの言葉も言えない、はっきり幸せにするとも言えない。
彼には夢があるから、ずっといまの仕事をしたいという夢。いつか私に分かるかな。
「………直昭さん、」
「うん?」
「………さっきカメリアプロダクションにいた時に直昭さんを見てね、」
「そうだったんだ、…ごめん分からなくて。」