ハナミツ



ダメだ余計なこと考えるな、事故るだろ。












慌てず騒がず、今日はちゃんと言うんだって決めたから。




鍵を渡す。
蓮花は悩みながらも受け取ってくれると信じてる。



キーケースもおまけに買ったけど良かっただろうか。
(恐らく女の子が好きそうなブランドを調べてポチッただけだったのだけども。淡いピンク色は蓮花の花の色に似ていてきれいだったから。)








あの日、事務所でキスをした日ー

蓮花に不便な思いをさせて、それでもそばにいて欲しいなんて我儘を言っているのは自分の方なのに、オレはなんて人間なのだろうとおもった。




仕事も大事で彼女も大事で、わがままにもほどがある。










でも、それでも、


諦めたくない。



形振り構ってられないくらいに大事にしたい。
そういう存在の人をオレは初めて見つけたと思う。



仕事以外のオレをすきだと言って、
日常に自分を求めてくれる。



貪欲になる自分が怖い。
何でもかんでも手に入れて幸せになるのが、満たされるのが怖くてたまらない。


満たされたらどうなるのか知らないから。





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