ハナミツ



直昭さんのことを信じれなくて、
ずっと母の事を言えなかった。



でも直昭さんは私を放り出さずに受けとめてくれた。
私は、直昭さんをつよい人にさせざるを得なかった。
私もそう望んでしまった。


直昭さんは優しいから、そういう部分しか見せられなかった。弱いところもあったのに、私が彼にのぞんだから。


今まで、ずっと



「ずっとガマンさせてごめんなさい。直昭さん。」





あなたに言ってほしいことは私がずっと我慢させてしまっていた。


「………うん。」


鍵をテーブルに置く。


「今まで優しくしてくれてありがとうございます。」

座ってる直昭さんを、ぎゅっと抱きしめる。





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