ハナミツ
彼に言わなきゃならない事があった。
昼に七瀬さんと話したことー。
「直昭さん、」
「うん?」
「私からも話があるの、聞いてくれますか」
「うん、どうした…」
「七瀬さんがお昼にお店に来て下さったんです、その時に少しお話した事があって…」
「え、七瀬さんが来たの?…今日…」
彼は驚いたように聞き返してきた。
「はい。私も久しぶりだったから…少しだけ七瀬さんとお話したんです直昭さんの事。
…ずっと、考えて。でも、言葉が見つからなくて悩んでた事」
「…うん。」
横になって彼を見ながら話す。
「私は今までずっと直昭さんに母のことで悩ませたり、直昭さんがその声優さんしている事でおおっぴらに出来ないことにうじうじ悩んでたり、沢山、迷惑をかけて、それでもやっぱりそばに居たいって思う自分に呆れてどうにかしなきゃって考えてく中で……結希さんに話したり七瀬さんと話したりして、それで私……分かったんです。」
「…直昭さんが私の事大事にしたいって言ってくれたように私も直昭さんを大事にしたいんです。
直昭さんに夢があったって構わない。夢を叶えた時に近くで笑っていたい。無茶な事かもしれないけど、直昭さんの事を一番近くにいて支えていたいんです。
私のことは仕事の次に考えてくださって構いません。だから、わたしをあなたのいちばん近くにいさせてください。辛いことも苦しいことも一緒に考えたいんです。」