ハナミツ





久しぶりに見た立花君はとても背が伸びていて、舞台裏で母を見ていた姿とだぶらせることが難しかった。

仕事場であった彼の姿とは違った。


「あんたの言いたいこと3分くらいで終わってるよ、大丈夫なの?」


「…大丈夫ですよ。」

立花くんとは会ってすぐ話した。


あの時はとても怖かった、母の葬式の時に隅にいた私を睨み怒った。
アンタのせいで!!桜さんはいなくなったんだ!!

勝手に私が怖がっていた。
優しかった彼が見せた怒り、自分に向けられることはないと思っていた感情を剥き出しでぶつけられて、

勝手に怖がっていた。



申し訳なかった。そう彼に伝えた。



「あの時は俺が馬鹿なせいでいろんな人に迷惑かけたから、ごめんなんて言葉では済まないと思ってる。だからあんたはオレの事を許してくれなくていいんだよ。」


彼は優しく笑った。
直昭さんに似ているとおもった、

低過ぎない声。
笑ったらくしゃっとなる笑顔。

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