ハナミツ



まるでお芝居の中の話みたいだ。
誰かのセリフを話してるみたいに。




「蓮花」


直昭さんが私を呼ぶ、でも足が動かなかった。

好きなのに。

私は直昭さんの前で立花君とキスしてしまった。
直昭さんは私との事を話していた。




わからないーーー!







足は劇場の入口へ向かった。





終わってしまう。









「蓮花!」




呼ばないで。







泣きそうになってしまう。
振り向きたくなってしまう。


その声で








呼ばないで。






< 666 / 668 >

この作品をシェア

pagetop