ハナミツ
「っかれたよー。」
「おつかれさま。」
スタンド花の設営を終え、私たちは一段落付いた。
「あー、イベントあたしも見に行きたかったなー。
"大正恋慕~花のアト~"」
「面白い話なんだってね。主人公とあやかしの男の人との大正時代の話なんでしょ。」
「そーなんですよー。ん、…蓮さん詳しいですね。まさかゲーマー!?」
萌香ちゃんははっと私を見た。
「違う違う。調べただけ、実際にはゲームしてないよ。」
「なぁんだ。」
「そろそろ帰ろうか。お客さんも並び出してるから。」
はーい、と萌香ちゃんは手を上げた。
綾瀬さん。
会えないけど、見てくれたら嬉しいな。