ハナミツ
〈綾瀬目線〉




会場入りしたのは10:30。
地下駐車場から車で入り控え室にいった。



昨日すでに準備を終えているせいか、
あまりバタバタしてなかった………が。






「え、ほんとに?」


ヒロイン役の倉田さんがマネージャーと話していた。


「えぇ、不手際でコサージュが手配されてなかった
みたいで。いま慌てて手配してるみたいです。」



「………。」

コサージュ?


花の飾りか……。


確かそんなのをつけると言われた気がする。


「おつかれさまです。綾瀬さん。」

「あぁ、榊さん」


同じくキャストの榊 恭一郎さん。
年齢はあんまり変わらないが、少し年より上に見える。
衣装は少し大正よりのスーツで首もとが少し苦しそうに見えた。



「いま、倉田さんが話してる話本当なのかな。」


「どうなんでしょうか、僕はなんとも……」














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