ハナミツ







柳田さんに促され、俺は楽屋に戻った。



「リサーハルは昨日したから、スタンバイの前に裏で
Aqua gardenさんが準備してくれたコサージュをつけます。」


「分かりました。」



「おー、綾瀬君。」

向かいからニコニコ笑いながら東海林さんが挨拶してきた。

「東海林(しょうじ)さん。お久しぶりです」

「久しぶりです。また会えて嬉しいですね。"ボイスリミッド"以来かな」


柳田さんは、さっとどこかに行ってしまった。

スタッフさんが入り乱れてきている。
開演時間が近いから段々あわただしくなってきてるみたいだ。


「はい。またよろしくお願いします。」

「こちらこそ。」


ふふっと東海林さんが笑った。
この人からはいつも余裕を感じる。

「そーいえば、コサージュの手配がAqua gardenさん
なんだってね。良かった。あそこは確実ですよ。



「確実?」









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