ハナミツ
「調整室はそこのドア出て左奥ね。気をつけて」
「はい、すみません。ありがとうございます!」
私は急いで指示されたドアに走った。
時間、熱気、
いま私を走らせてる気持ちはなんだろう。
えいっ、
ドアを開けようとすると。
向こう側からドアが開いた。
一瞬ぶわっと風が向こう側から吹いた。
「ひやっ、ふ……ありゃ、す、すみません、失礼し、……」
「こちらこそ、すみません……。」
……。
「あ、綾瀬さん。」
久しぶりに聞いた声は懐かしい気がした。
綾瀬さんは目を丸くしていたけど、一瞬で表情は戻った。
「"はじめまして"、何か僕に用事ですか。
Aquagardenの藤ノ宮さん?」