ハナミツ
怪我………そういえばイベントは。
「イベントはつつがなく終わりましたよ 。
少し時間をずらして開演しました。
幸い舞台裏だったからあまり時間はかかりませんでした。
あの位置からは照明を使わなかったのもあったので、…」
すらすらと綾瀬さんは私の聞きたい事を話してくれた。
「良かった。」
チッチッと一瞬病室が静かになった。
「………良くありませんよ、あなたは ………
怪我までしたんですよ!わざわざ、俺のために!」
綾瀬さんが怒鳴るのに近い声で言った。
「………それは、」
膝の上でこぶしを握りしめていた。
悔しそうにみえたのは気のせいじゃない。
「………イベントは成功しましたよ。
あなたが俺を庇ってくれたから。みんな当たり前みたいにそれが一番良かったって言っていた。
あなたが怪我して当然だって。」
綾瀬さん。