私と彼女と彼等


「だってー。一人で来んの嫌だー。」

......わがままだな!!

「ったく。じゃ、皆で来れば良いでしょ!!」


「えぇー。俺は稚咲と二人で来てーんだけど。」

......ったく。


「じゃ、昼休みに二人で来れば良いじゃん!!」

「雅達が行かせてくれねーもん。」

は?なんで雅?

「じゃ、授業どうすんのさ!!」

サボるわけにはいかない。

なんたって留年がかかってんだから。

「んー。じゃ、稚咲。俺のお願い一つ聞いてくれる?」

そしたら戻ると言う啓。

......わがままだなー。


「分かった。いーよ。」

 
早く教室戻りたいしね。


「じゃー、動物園行こーぜ。稚咲。」

動物園か、


あー、啓は動物大好きだもんね。


「いーよ。」


「二人でだぞ!!」


「うん。分かった。」


なぜかガッツポーズをする啓。




なんでそこまで二人にこだわるんだろ?


てか、



「教室戻ろうよー。」

あーあ。トイレ長いと思われてるよー。


どうしてくれんだ。




「よし、じゃーな。うさぎ。」



うさぎって......。

可愛がってたくせにうさぎって呼んでんだ......。


名前とかつけないんだね......。


「ちさぴょーんっ!!戻るよーんっ。」

はっ、また稚咲ワールドにとんでた。

ふるふると顔をふって啓の後を追う。
















 




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