私と彼女と彼等
......
「いやぁ、ペンギン可愛かったなぁ」
「そうだね。次、何見に行こっか?」
「じゃ「ママ、どこー!?」
啓の声を遮った小さい男の子の声。
あれ、迷子かな?
「少年よー。迷子かぁ?」
なんて思っているとその小さい男の子に声を掛けた啓。
「迷子じゃないもんっ、ママとはぐれただけだもんっ。」
いやいや、それを迷子と言うんだよ。
なんて思ったけど言わないでおこう。
この男の子のプライドを傷つける訳にはいかないもんね。
「そうかぁ、じゃ、この正義の味方がママを探してあげようじゃないか。」
そう言って男の子を肩車した啓。
男の子は無邪気にきゃっきゃと喜んでいる。
「マーマー!!」
男の子の代わりに叫ぶ啓。
いやいや、あんたはママって年でもないだろう。
ちなみにあんたのお母さんじゃないし。
なんて思いながら一緒に叫ぶ。
「この子のお母さんいますかー!」