私と彼女と彼等



叫び続けること二分。

「透っ!」

「ママッ!!」


ほぉ、この少年は透と言うのか。


じゃなくて、

「お母さんですか。」

目の前の優しい雰囲気の女性に訊ねる。


「そうですっ。良かった、見つかって。」

心底安心した様子の透くんのお母さん。


「もうはぐれんなよ?少年。」


そう言って肩から透くんを降ろす啓。


「うんっ、お兄ちゃんっ。お姉ちゃんっ。ありがとう!!」

ニッコリと笑ってお礼を言ってくれた透くん。

可愛いッ!!


「じゃあなー!!」

ニコニコ笑って透くんの頭をワシャワシャ撫でる啓。






どきん。



その姿に胸がなる。









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