私と彼女と彼等
好きだから
「......稚咲、気持ちは分かるけど、啓の話聞いてあげなよ。」
今は、昼休み。
ここ最近は、気まずいので美咲と二人、屋上でご飯を食べている。
美咲の言う通り、私は二週間啓を避け続けている。
何か啓は話そうとしてるけど、
......顔見て話すのなんてまだ無理だよ......。
「......啓、さっきも稚咲の事探してたよ?」
「......うん、でも、まだ無理だよ......。」
「......そうだよね......。無神経だったね、ごめん。」
美咲から謝られる。
「ううん。いーよ。こちらこそお昼付き合わせてごめんね?」
「そんなのはいーのっ!!あたしが好きでついてきてるんだもん!!!」
あー、可愛い。
ニコニコしながらお弁当を食べる美咲を見て、そんな風に思っていると、
「あっ、稚咲。あたし、先生に呼び出されてたんだ。」
そう言った稚咲。
「そっか、そりゃ大変。いってらっしゃい。」
美咲に手をふる。
「うんっ、ごめんねっ!」
バタバタと慌ただしく屋上から出ていく美咲。