私と彼女と彼等



「キャラじゃないでしょ?」

「ん?きゃら?」

「また、稚咲なのにって思うんでしょ?」

あー、言ってて空しい。

 
でも返ってきた言葉は予想外のものだった。





「なんでだ?全然、意外じゃねぇよ?」


は?


「怖いもんなんてねぇやついねぇんじゃね?」

......


不覚だ。

一生の不覚だ!!

啓の言葉が胸に染みて涙が溢れそうになる。

お、おさえなきゃ。

「げいぃぃぃぃぃぃ..ありがどぉぉぉぉぉ」

駄目でした。もう、手遅れ。

「ゲイ!?俺は女が好きだぞ!?」

......あぁ、私はこんな馬鹿な奴の言葉で泣いたのか。



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