私と彼女と彼等

......

「あのぉ、すみません。驚かせたみたいで......。」

恐縮する血塗れの男のお化けさん。

「え、あ、だ、大丈夫ですー。」

まあ、怖かったけど。

「じゃ、俺はここで」

ペコッと頭を下げて一哉をベンチにおいて中にいそいそと戻っていった。

「ぶっ、ははは、稚咲ぃー。お前、ビビりすぎだし~!」

だんだんと床を叩いて爆笑する雅。

......あぁ、こいつは笑い上戸だった。

「なにさ、雅だってビビってたんじゃないの?」

「え、俺はビビってねーし。」

強がる雅。

「嘘つくなよー。雅もなかなかビビってたけど?」

ニコニコと毒を吐くヒカル。

「ほら~、やっぱりー!」

「......うっせー!!」

雅の一言によってまたぎゃいぎゃいと口喧嘩が始まる。

「う、ぅーん。」


「あ、一哉。」


< 43 / 355 >

この作品をシェア

pagetop