私と彼女と彼等
side柊
......馬鹿だろ。マジで。
俺とヒカルの静止も聞かずに雅の薬を買いにいった幼馴染みの事をそんな風に思う。
「俺、行ってくるわー。最近、この辺り痴漢多いし。」
とどこか慌てているヒカル。
「無理だろ。あいつ足はえーし。いまいっても入れ違いになるかもしれねーじゃん。」
「......だよな。」
そう言って座り直したヒカル。
「......無自覚すぎ..。」
ポツンと呟いた一哉。
......だよなぁ。
稚咲は自覚はしていないが幼馴染みの俺から見ても可愛い。
ぱっちりとした二重の目。
薄いピンクの唇。化粧のあとが全くない白い肌。マスカラでもつけてんじゃないかってくらい長い睫毛。
それに可愛いのに気取ってねーし、明るいし、誰にでも分け隔てなく接せられるからいつも皆の中心にいる。
あ、やべ。ちょっと高く評価しすぎたか。
「......遅くね?」
なんだかソワソワしている雅。
「いや、まだ出てってから五分もたってねーわ。」
心配しすぎだろ。
ん?てか
「雅って稚咲の事好きなん?」
「!?」
そう言うと分かりやすく慌てた雅。
「おっ前!?」
あ、やっぱり図星な感じ?
「駄目だよー、柊。分かってたけど、皆
、口に出してなかったのに~。」
ヒカルはニコニコしているけど出ているオーラが黒い。