私と彼女と彼等


「はいこれ。雅、薬。」

雅に薬と水を手渡す。


「......さんきゅ。」


あー。あの雅にお礼言われてるよ、私。

感動だ!!


「なーにいってんのさ。当たり前じゃん。」

風邪の時位は甘えてほしいもんね。


「あっ!!!やべー!!!俺、カラフル戦隊虹レンジャー見なきゃ!!」

カラフル戦隊虹レンジャー......


「ネーミングセンスなさすぎでしょ......。」

「..だな。」

一哉と二人で冷めた目で啓を見る。

「何!?超かっこいいんだからな!!お前らにその良さを分からせてやる!!雅、テレビつけるぞ!!」

そう言ってテレビをつけた啓。


え、待て待て。雅、許可してないやん。
 
つけた瞬間にちょうど虹レンジャーが始まった。


「うぉぉぉぉ!!虹レッドかっけぇぇぇ!!」

良さを分からせてやる。とか言ってたけど一人でテレビに釘付けの啓。


はぁぁぁぁ。

戦隊ものを見ながら騒いでる啓を見て自然とため息がでる。


それは他の皆も同じみたいでヒカルと一哉なんてこめかみに手を当てて空をあおいでる。

あ、雅寝てる。

うん、さっきより顔色は良いわ。薬が効いてきたのかな。

じゃ、雅が寝てるうちに帰りましょうかね。

もうすぐ雅のお母さんも帰ってくるだろうし。

「そろそろ、帰ろうか。」

「そうだね。啓、帰るよ。」

「んんー。」

ヒカルが声をかけてもから返事の啓。

「はぁ。じゃ、稚咲。啓はまだ残るみたいだし、啓は柊と一哉に任せて帰ろうか。」

え、啓を柊と一哉に任せてくの?

それはそれで二人が大変そうな......
 
「え、俺らに任せてく感じかよ!?」

と柊。

そうだよね。気持ちは分かる。


「......勘弁してくれ。」

うんざり顔の一哉。


「え?なんだって?」

にっこりとしたスマイルのヒカル。



......うわぁ。ヒカルが営業スマイルをプライベートでしてる時って大抵逆らっちゃいけない時だ。



......柊と一哉お気の毒に。


「チッ分かったよ。」

「......。」

「ありがとー。じゃ、また明日~。」

私の手を引っ張って雅の部屋を出たヒカル。











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