君がくれた約束[続編]
改札を抜けると、顔が見えないように、帽子を深く被ったシュウを見付ける。
私はドキンとして思わず下を向いた。
片思いみたいに、ドキドキする。
「シュウ、久し振り」
「この前会ったばっかりだけど」
「…そうだけど」
シュウはムッとした私を見て笑いながら、私の手をソッと繋いだ。
「シュウの家はここから近いの?」
「うん。車で10分くらい。買い物とかしなくていい?」
「この前いっぱい買ったから」
「ふーん」
シュウは馴れたようにタクシーを止め、行き先を告げるとタクシーはシュウの家に向かう。
10分くらいするとタクシーは停まり、シュウが住んでいるという所は、以前私が住んでいたマンションより大きく新しくて、少し寂しくなった。
大手会社の息子だもん。これくらいの所に住んでて普通だよね…。
タクシーの支払いを済ませたシュウが言った。
「どうしたの?」
「ううん。シュウの部屋は何階なの?」
「25階」
「じゃあ、行こう?」
オートロックのドアを開け、エレベーターに乗り、シュウの部屋の前に着く。
まるで高級ホテルみたい…。
部屋の鍵を開けて中に入ると、相変わらず綺麗で殺風景な部屋が広がる。