君がくれた約束[続編]

「大丈夫?」


「うん!シュウはこんなときでも緊張しないんだね。私なんかずっとドキドキしてんのに」



緊張を隠すように、必死に喋る私にシュウが言った。



「緊張してるよ。ほら」



そう言って差し出されたシュウの手は、少し震えていて、触れると指先が冷たくなっていた。


私はシュウの手をギュッと握り、シュウに言う。



「大丈夫。二人で頑張ろうよ」


「うん」



私もシュウも、緊張でガチガチになって無口に歩く。



「ここだよ」



そう言ったとき、家の前に男の人が立っているのが見えた……。



秀……司?


秀司がなんでここにいるの?


あのときの、広島に泊まったこととお父さんの顔が目に浮かぶ。


私は立ち止まり、シュウは私と秀司を交互に見ると私に言った。



「倫子さん、行こう?」


「でも……」



ばつが悪くて私は動けない。


あの広島のことをお父さんは言うつもりなんだ。


どうしよう……。


心臓がバクバクして泣きそうになった。


すると、秀司が私とシュウに気付き、話しかけてくる。



「よっ!何処かに行ってたの?」


「……なんで秀司がここにいるの……?」



上手く声が出せない。


< 101 / 305 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop