君がくれた約束[続編]
悔しくて泣きそうになる。
父親と秀司がいる部屋に入っても、こっちを気にする秀司とは逆に、父親は私とシュウを視界に入れないで、秀司と話し続けた。
なんで?
こんなのシュウが傷付くよ。
その為にシュウはここに来たんじゃないのに……。
シュウは黙ったままで、視線を落としている。
「お父さん」
呼んでも知らん顔をする父親に、私はもう一度大きな声で言った。
「お父さん!!」
すると、父親は少し不機嫌そうな顔をして私を見る。
「今日は話しがあるって言ったよね?」
「あぁ、そうだったな」
父親は澄ました顔をして続ける。
「その前に紹介するよ。こちらは、木村秀司くんだ」
「はい、前に一度お会いしました」
そう言ってシュウは、秀司に軽く頭を下げる。
「そしたら話しは早いな。木村くんは倫子の見合い相手だ」
「お父さん!それは形だけのお見合いでしょ?!ね?秀司」
私は必死に目で秀司に訴える。
「うん」
「いやいや、なにを言ってるんだ。ふたりで泊まったじゃないか」
父親の口からその言葉が飛び出したとき、私はなにを言えばいいのか分からなくなった。