君がくれた約束[続編]
頭が真っ白になって、シュウの顔を見ることができない。
シュウは今どんな顔をして、なにを考えているの?
怖い……。
こうなることを想像してなかった訳じゃないけど、いざこうなると、シュウを失う怖さだけしかなかった。
「いえ、泊まったというより、新幹線で寝過ごして、帰れなかっただけですよ」
秀司はそう言って笑ってみせて、父親はシュウにはっきり言った。
「ふたりがどう過ごしたかは知らないけど、泊まったのは事実だ。それでも……」
そう言いかけたときシュウが言った。
「僕は倫子さんを信じます」
シュウ……?
私はシュウのその言葉が嬉しくて、思わずシュウの顔を見た。
でも、シュウの顔は強ばってる。
「うん。なにもないし、別々に寝たから」
秀司は気を使ったのか、嘘をついて笑う。
「とにかく、倫子と君のことを認めるつもりはない」
「認めて貰えるまで何度でも来ます」
「好きにしなさい。でも認めないからな」
話しの進展なんてなにもなくて、平行線になった父親とシュウのやり取りは、空気を重くする。
「今日は帰ります。でも僕は諦めませんから」
シュウはそう言って立ち上がり、頭を下げて玄関に向かった。