君がくれた約束[続編]
家の中に入ると、父親が言った。
「早かったな」
「……なんであんなこと言うの?お父さんズルイよ」
「倫子に嫌われても、倫子の幸せを考えるのが父親の務めだ。どうせ、あの男も今回のことで懲りただろ」
「……」
私はなにも言わずに、部屋に戻る。
シュウは今、新幹線の中でなにを考えてるんだろう?
秀司に会って貰って、なにもないって証言して貰ったとしても、『なんで俺と倫子さんの問題に彼が出てくるの?』って怒るんだろうな。
又、シュウからの連絡待ちになる。
いつも待ってばっかりいる。
私……。
私と父親は険悪なムードのまま、晩御飯を食べ、すぐに部屋に戻る。
きっと又シュウからは暫く電話はこないよね?
私からもできる訳がない。
そう思いながらも、シュウに電話をしたい気持ちと、掛かってくるのを待っている自分がいる。
シュウの番号を出しては消し、出しては消し。
私、何やってんだろ?
シュウと出会う前の私はこんなんじゃなかった。
きっとかけるのを我慢できなかった。
年を取ると臆病になっていく。
待ってばかりいないで、かけちゃえばいいじゃない!!
頑張れ、私!