君がくれた約束[続編]
―土曜日
「じゃあ行ってくる」
「行ってくるって何処に行くんだ?」
「シュウのところ」
「ダメだ!!」
私は怒る父親に笑顔で言う。
「お父さんがシュウのことを反対するのと同じくらい、私もシュウと別れる気はないよ。でも、駆け落ちしたり勝手に籍を入れたりするつもりもないの」
「当たり前だ!」
「だから、根比べになっちゃうね。私、負けないから。行ってきまーす」
「……」
私はそのまま駅に向かう。
無理矢理引き止めない父親を見ると、少しずつ良い方向にいってる気がする。
駅に着くと、千里の姿が見えて、私は思わず千里に声を掛けた。
「千里!」
「あっ、倫子!彼氏のところ?」
「うん。千里もでしょ?」
「うん」
「じゃあ、又一緒に行こうよ」
「そうだね」
私と千里は一緒に新幹線に乗り、話に花を咲かせる。
「ねぇ、なんかいいことあったでしょ?結婚するとか?」
「えー、結婚なんてまだ先かな。お父さんが反対してるしね……」
「そうなんだ?なんで?うちの親なら喜びそうだけどな」
「いろいろあったし……元々世界が違う人だからね」