君がくれた約束[続編]

「……あの報道は本当か?」



私と秀司の視線はシュウの顔に集まる。


“密会”


本当なの?


するとシュウは顔色ひとつ変えずに答えた。



「本当です」



本当だったんだ……。


秀司を見るとすごい剣幕で、シュウの襟に掴みかかって言った。



「お前さー、女いる癖にリカコに手を出してんじゃねぇよ!!」



秀司はそのままシュウに殴りかかり、私は思わず目をふさいだ。


シュウの頬が真っ赤になってる……。



「ちょっ、秀司、なにすんのよ?!シュウ大丈夫?!」



シュウは私が近付くのを止め、秀司に言う。



「自分はどうなんだよ?!」



シュウも秀司の頬を思い切り殴った……。


どうしよう……。



「シュウ、でも本当になにもなかったんだよ?」


「倫子さんは黙ってて」



シュウがそう言ったとき、インターホンが鳴った。


誰……?


インターホンの受話器を取って、シュウが言う。



「二十五階の一番右の部屋。鍵は開けとくから」



シュウはオートロックの解除ボタンを押すと、玄関の鍵を開ける。



「誰か来たの……?」


「うん」



シュウも私も秀司も黙ったまま、その人が部屋に来るのを待った。


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