君がくれた約束[続編]
駅に着くと秀司を起こす。
「秀司、着いたよ」
「……ん?ああ」
秀司はアクビをしながら立ち上がり、一緒に新幹線を降りる。
「やべ。下向いて歩いた方がいいよな?」
「……?なんで?」
「ほら、さっき婚約発表したし。俺も普通に歩けなくなるよな」
そう言う秀司はまんざらでもない顔をしている……。
「そうだね。急いで車に乗らないと、又、私と浮気とかって報道されるよ?」
「そうだな」
私と秀司は急いで車に乗り込み、家迄送ってもらう。
秀司は報道が気になるみたいで、カーナビをニュース番組に切り替えて車を走らせた。
「ありがとな」
「……?」
「指輪」
「うん。なんとなくね、必要な気がしたんだ」
「そっか。お前も頑張れよ!今まで通り相談にも乗るし、必要だったら協力もするからさ」
「ありがとう」
少し穏やかな気持ちになって、家の前に着いたとき、芸能ニュースが流れ始めた。
「次のニュースはあの人気モデルのおめでたいニュースです」
画面はCMに切り替わる。
「次だね」
「ああ」
秀司はそう言うと、少し照れ臭そうな、緊張した顔をしてカーナビを見つめている。