君がくれた約束[続編]
「あら、倫子も東京に来てたの?」
私は視線をシュウから女の方に移す。
「千里……なんで……?」
なんで千里がシュウとふたりで歩いてるの?
私に夜電話できないって、千里が泊まりに来るからってこと?
私……分からないよ……。
来月にはシュウのお父さんだって実家に来るのに、なんで千里といるの……?
こんな状況なのに、シュウは冷静で、千里は勝ち誇った顔をしている。
私だけなにも知らなくて……。
「千里さんは今日相談に乗る約束だったから」
「ふたりで会わないといけないことなの?電話じゃダメなの……?」
涙が出てきた。
だって千里だけは嫌だったもん……。
「ふたりでって言うか、夜三人で……」
シュウがそう言いかけたとき、千里が言った。
「高山くん、言わないで!!」
なんで千里がそんなこと言うの……?
シュウが欲しくて相談してる振りをしてるだけでしょ?
「……シュウ、教えてよ……?」
「ごめん、倫子さん。やっぱり言えないや……」
「……」
少し笑った千里の顔が目に入った。
「……千里なんてシュウが欲しくて悩んでる振りしてるだけじゃない!!なんで分かんないのよ?!」