君がくれた約束[続編]
「なにかあったなら、話を聞くよ?」
これってナンパ……?
そんな気分じゃない。
ソッとしてほしいのに……。
私は男を無視して、必死に涙を止めようとした。
早く駒込に着けばいいのに。
私が黙り込んでいても、男は離れることもこれ以上近づくこともなく、もう話し掛けてくることもない。
駒込までの時間はすごく長く感じて、やっと着いて電車を降りるとき、男も一緒に降りてきたんだ。
私はそれに気づかない振りをして、改札口を抜けるとすぐに紗香に電話をした。
「もしもし」
「……紗香?着いたよ」
私の声は鼻声で、紗香はそれに気づいたのか言った。
「なにかあった……?十五分……ううん、十分で行くから待ってて」
「大丈夫!急がなくていいよ。転んだりしたら大変だから」
紗香になにかあったらそれこそやりきれない……。
私は精一杯明るく言った。
「分かったわ。とりあえず待っててね」
「うん」
私は携帯を切り、男がいるのを確認すると、その場に座り込み伏せる。
「誰か来るの?彼氏とか……?」
なんで私に絡むのよ?
「アンタには関係ないでしょ?!」