君がくれた約束[続編]
紗香と部屋に向かい、ドアを開けると綺麗に掃除された部屋に、少しのベビー用品が置いてあった。
「入って」
「うん」
私は部屋に入ると、ソファーにちょこんと腰をかける。
部屋の中は紗香と紗香の旦那さんの写真が飾られていて、幸せそうな顔で写るふたりが羨ましくもあり、自分と比べて寂しくもなる。
「で、なにがあったの?」
紗香はグラスに氷を入れて、テーブルに置くと、私が買ったジュースをグラスにそそぐ。
「うん……あのね」
私は千里とのこと、一時間程前に起こったことを紗香に話す。
紗香は私の話を聞くと少し笑って言った。
「倫子は相変わらず苦労が絶えないね」
「……」
「でもさ、今回のことはコミュニケーション不足だと思うけどな」
「コミュニケーション不足……?」
「だって、その千里って子と倫子の間であったこと、シュウくんは知らないんでしょ?」
「……うん」
「シュウくんだって、倫子の友達だからと思って相談に乗ってたのかもしれないし……。倫子がちゃんと話していたら、又違ってたんじゃないかな」
「だって、シュウが信じてくれないかもしれないもん……」