君がくれた約束[続編]

「でも相変わらずみたいですよ。さっきまでグズグズ言ってたんですから」



紗香が意地悪な顔をして言う。



「もう、私の話しはいいの!紗香や三上さんの話しにしてよ」



私はそう言って一気にビールを飲み干した。



「本当に相変わらずだな。大下は?子供は順調なの?」


「はい。でもいろいろ気を付けてますよ」



紗香はそう言って幸せそうな顔をして、お腹を優しく撫でる。



「三上さんは?もういい年ですよね?」



三上さんは飲んでいたビールを吹き出しそうになりながら言った。



「いい年は余計だ!でもまぁ、それなりにな……」


「ふーん。結婚とか決まったら教えて下さいね」


「ああ」



そっか。

彼女ができたんだ……。


ちょっとホッとしたような、寂しいような。


私は又一気にビールを飲み干す。


紗香と三上さんと冗談を言ったりしながら時間は流れ、時計を見ると二十一時になっていて、私は鞄の中から携帯を取り出すと、着信を確認した。


不在着信三件


シュウ……?


私は急いで着信を確認する。


実家。

実家。

実家……。



なんでシュウからの着信はないの……?

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