君がくれた約束[続編]
そんな私の気持ちも知らず、家に帰ると父親の声が響く。
「ただいま」
「ただいまじゃない!なんで電話に出ないんだ?!」
「……」
「自分からした約束を簡単に破ってどうする?!」
シュウのところにいたと思ってるの……?
「紗香んちに行ってたよ!シュウには偶然会ったけど……会ったけど」
何故だか分からない。
そう言いかけたとき、涙がこぼれた。
「やっぱり会ったんじゃないか!約束が守れないなら、今度高山くんの父親が来ても会わないぞ?」
「……そんなことしなくても、もう分からないよ……!」
私はそう父親に言うと、すぐに私の部屋に入った。
荷物を床の上に置き、ベッドに横になる。
すごく疲れた。
なにもかも放り出したいくらいダルい。
ただ紗香の家に行っただけなのに、それだけなのに、なんでこうなるの?
少しすると、鞄の中の携帯がブルブル鳴って、私は鞄から携帯を取り出した。
―着信 シュウ
何回もかかってきてる……。
私はゆっくりと通話ボタンを押した。
「……もしもし」
「倫子さん?もう家?」
「……うん」
「東京で会ってちゃんと話したかったんだけど……」