君がくれた約束[続編]
私はシュウの優しい声を遮るように言った。
「ごめん、シュウ……。今話したくないんだ」
「……。分かった。じゃあ話す気になったら電話して」
「うん。じゃあ」
「うん」
電話を切ると胸が締め付けられていく。
シュウのことは好きなのに、なんでだろう?
でも休憩も必要なんだ。
又、前みたいにシュウと向き合えるようになるまで、私の気持ちがしっかりするまではいいよね?
そして、少し時間が経つとメールが届いた。
From.千里
早く別れたら?
……。
私は携帯の電源を切って、押し入れに入れた。
そして少しすると部屋をノックする音が聞こえる。
「……はい」
「入るわよ?」
そう言って母親が入ってくる。
「なにかあったの?」
「……」
「お父さん、心配してたわよ」
「……うん。来月の三日……ダメかもしれない」
「……そう。倫子とシュウくんがちゃんと話して決めればいいわ」
母親はそう言って優しく笑うと、部屋を出ていく。
私は携帯を入れた押し入れを、ボーッと眺めた。
押し入れから携帯を出す気になれるのかな?
逃げてるだけじゃどうにもならないけど、電源を入れて手に取るのが嫌。