君がくれた約束[続編]
「……うん」
渋々受話器を取ろうとする私に、母親が言った。
「シュウくん、倫子になにかあったんですか?って心配してたわよ」
「……」
心配してくれてたの……?
罪悪感で少し胸が痛んだ。
私は受話器を取り、保留ボタンを押して保留を解除する。
「……もしもし」
「倫子さん?」
「うん」
シュウの声を久しぶりに聞くと、泣きそうになった。
「三日のことだけど、大丈夫?」
「……」
「……倫子さん?」
「……ごめん、シュウ……。今は会いたくない。自分でも分からないけど、会えない……」
涙が出た。
私、なに言ってんだろう……?
こんなこと言ったら、本当にシュウとダメになっちゃうかもしれないのに……。
必死に涙を止めようとしても止まらなくて、どうにもならない。
「分かった」
シュウはそう言うと、電話を切って、私はその場に崩れ落ちるように座り込んだ。
『分かった』
どういう意味で言ったの?
本当に終わりなの?
シュウは取り乱すことなんてなくて、私はいつもそれが寂しかったよ……。
一度だけだったよね。
秀司のことを殴ったとき。
あのときもただの気まぐれだったのかもしれない……。