君がくれた約束[続編]

「……倫子?なにかあったの?」


「……」



私は心配そうな顔をしている母親になにも言えなくて、走って自分の部屋に行く。


もうどうすればいいか分からなくて、ただ泣くしかなかった。


そのとき、部屋をノックする音が聞こえる。



「……」


「倫子。入るぞ?」



父親の声が聞こえ、私は急いで涙を拭う。



「……なに?」



父親は部屋に入ってくると、私の隣に座って言った。



「なんで泣いてるんだ?」


「……」


「高山と上手くいってないのか?」



父親にそう言われると、我慢していた涙が又あふれだした。


「なぁ、倫子。倫子が言ったこと覚えてるか?」


「……?」


「絶対に弱音は吐かないし、後悔はしないって言っただろ?お前の気持ちはそんな物だったのか?」


「……」



シュウとお父さんを説得してたときのことだ……。


でも、それとこれとは違う。



「なにがあって泣いてるのかは知らないけど、ちょっと残念だ」


「……」



父親はそう言って部屋から出ていき、私はただ部屋の壁を眺めていた。


そして、押し入れの中にある携帯を取り出すと、ゆっくりと電源を入れる。

< 179 / 305 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop