君がくれた約束[続編]
「……倫子?なにかあったの?」
「……」
私は心配そうな顔をしている母親になにも言えなくて、走って自分の部屋に行く。
もうどうすればいいか分からなくて、ただ泣くしかなかった。
そのとき、部屋をノックする音が聞こえる。
「……」
「倫子。入るぞ?」
父親の声が聞こえ、私は急いで涙を拭う。
「……なに?」
父親は部屋に入ってくると、私の隣に座って言った。
「なんで泣いてるんだ?」
「……」
「高山と上手くいってないのか?」
父親にそう言われると、我慢していた涙が又あふれだした。
「なぁ、倫子。倫子が言ったこと覚えてるか?」
「……?」
「絶対に弱音は吐かないし、後悔はしないって言っただろ?お前の気持ちはそんな物だったのか?」
「……」
シュウとお父さんを説得してたときのことだ……。
でも、それとこれとは違う。
「なにがあって泣いてるのかは知らないけど、ちょっと残念だ」
「……」
父親はそう言って部屋から出ていき、私はただ部屋の壁を眺めていた。
そして、押し入れの中にある携帯を取り出すと、ゆっくりと電源を入れる。