君がくれた約束[続編]

シュウと向き合わないでいた自分に後悔しても、時間は戻せない。


涙で瞼が痛くて、洗面所でタオルを濡らして部屋に戻ると、瞼の上に置いた。


そしてシュウとの思い出を振り返る。


シュウと出逢ったときのこと。


シュウが刺されたときのこと。


シュウがいなくなったこと。


シュウが迎えに来てくれたこと。


シュウが秀司を殴ったこと。


シュウが家に挨拶にきてくれたこと。



ひとつ一つ鮮明に思い出す。



沢山泣いて疲れた私はウトウトして、起きてるのか寝てるのかも分からない。


どれくらい時間が経ったんだろう?


玄関の方から声が聞こえた。



なんだろう……?


争ってるような声?


私はタオルを外し、時計を見る。


二十一時……。

こんな時間になに?


ソッと部屋を出て、ゆっくりと玄関の方に向かうと、少し興奮した母親が私に言った。



「早く来なさい。シュウくんよ」


「えっ?シュウ?」


「いいから早く!」



母親に手を引っ張られ玄関に向かう。


なんでシュウがこんな時間に?


急に心臓がバクバクなって、呼吸が苦しくなる。


突然過ぎて、なにを言えばいいのか分からないよ。



玄関まで行くと、頭を下げてるシュウの姿と、怒っている父親の姿が目に入る。


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