君がくれた約束[続編]
「ありがとうございます」
シュウはそう言って頭を下げると、家の中に上がり、私の部屋に向かう。
部屋に向かう間は、シュウも私も無口で……。
部屋に入りベッドに腰を降ろすと、シュウが言った。
「倫子さん、目が腫れてる」
「……うん」
なにを話せばいいのか分からなくて、重い空気の中時間だけが過ぎる。
「なんで……急に来たの?」
「分からない。でも今会わないといけない気がしたんだ。そしたら、足が勝手に駅に向かってて、倫子さん家に行くことしか考えられなかった」
「……私が会いたくないって言ったのに?」
「うん。倫子さんには俺が必要だから」
「……なによ」
私がそう言うと、シュウは少し笑って私を強く抱きしめる。
「好きだよ」
胸がキュンとなって泣きそうになった。
いつもこうしてくれてたら、穏やかでいられるのに……。
シュウは暫くの間、私を抱きしめて、ソッと離れると言った。
「この前のことだけど、ちゃんと話すよ」
私はなにも言わないで、コクリとうなずく。
「千里さんの彼氏は妻子持ちなんだ」
……千里が?
「もう別れたいから彼氏の振りをしてくれって頼まれた」