君がくれた約束[続編]
居間の方に行き、シュウたちに座ってもらうと、私と母親でお茶を出し、一緒に座る。
軽く挨拶を済ませると、一番最初に口を開いたのは、父親だった。
「あの、うちの倫子は一般家庭で育った子で、教養がありませんが……」
するとシュウのお父さんは笑いながら答える。
「いえいえ。なんでも初めからできる人間はいません。スタートが早いか遅いかの違いで、全く問題はありませんよ」
少し安心した。
「なにかあったときのマスコミの対応は……?」
「伏せますから安心して下さい」
シュウのお父さんの一言一言は、軽い感じなのに不安を与えない。
始めは少し不安そうだった父親と母親は、ホッとした顔になってた。
「神田さんの方は、うちの息子で大丈夫ですか?育ちの方は報道でご存知かと思いますが……」
父親は一瞬顔色を変え、少しずつ言葉を発する。
「始めは反対でした。育ち……住む世界も違います。でも娘と息子さんを見ていたら、少しずつ気持ちが変化しました。今は……大賛成と言えば嘘になるけど、反対はしてません」
「……そうですか。私の気がかりはそこだったので、安心しました」