君がくれた約束[続編]

五人がホッとした顔になると、シュウが言った。



「あの、近い内に倫子さんと一緒に住んでも大丈夫ですか?」



父親は驚いた顔をして、シュウに聞く。



「何処に住むんだ?」


「東京です」


「東……京」



少し黙り込む父親に私は言う。



「お父さん、お願い。ずっと離れてたし、東京に住んでもいろいろ頑張るし、毎日電話もするから!」


「毎日電話……?」


「う、うん……」



必死になって言っちゃったけど、毎日電話は嫌かも……。


私と父親のやり取りを見て、シュウのお父さんは笑いながら言う。



「いいじゃないですか。近くには私もいます。どうです?神田さんも時々遊びに来られては」



流石、シュウのお父さん!


するとずっと黙っていた母親が口を開いた。



「いいんじゃない?倫子もシュウ……高山くんもよく頑張ってたし。倫子もいつかお嫁にいくのよ?」


「……そうだな」


「ありがとう!お父さん!!」



私とシュウは顔を見合せて笑う。


一段落すると、シュウのお父さんが腕時計を見ながら言った。



「大変申し訳ないのですが、仕事に戻らなくてはいけないので、これで失礼します」


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