君がくれた約束[続編]
「そうですか……」
「すみません。又ゆっくりと」
シュウとシュウのお父さんを家の前まで送ると、私は笑顔で部屋に戻る。
よかった……。
シュウのお父さんが優しい人で。
又この家を離れるのは、少し寂しいけど……。
一生の別れじゃないもんね。
そう思ったとき、携帯が鳴った。
シュウ?
携帯を見ると……。
―着信 非通知
私の頭の中に、ヒデキの顔が浮かんだ。
出なくていいよね?
出なければなにも関わることもなく、平穏な時が過ぎていく。
せっかくシュウとの新しい生活が始まるんだから……。
翌日、会社に退職することを告げ、一ヶ月後に退職することが決まると、私は着々と東京に持っていく荷物をまとめる。
仕事……。
東京に行ってシュウにおんぶに抱っこじゃダメだよね?
東京に行ったらすぐに探さなきゃ。
それとも、シュウの会社で少しずつ仕事を覚えた方がいい?
電話、繋がるかな?
私はシュウに電話をする。
「はい」
「あっ、シュウ?」
「うん。荷造り進んでる?」
「うん!あのね、仕事のことだけど……。東京に行ってから探した方がいい?それともシュウの会社で働いた方がいいのかな?」